被災したビルの壁面をスクリーンにした無料の野外映画上映会が、8月1日まで宮城県石巻市中心部で開かれ、夏休み中の親子連れなどが癒やしのひとときを過ごしている。
東日本大震災の復興イベントとして市民有志が企画。2メートル以上の津波に漬かった4階建てビルの壁面に縦5メートル、横7メートルほどの大きさで映画を映し出している。震災で解体された旅館跡地に椅子を並べ、客席にした。
毎日2本ずつ、午後7時ごろに上映開始。子ども向けのアニメ作品や、石巻市でも撮影された「エクレール・お菓子放浪記 メイキング」などが日替わりで楽しめる。
会場周辺では今も被災したビルや家屋が無残な姿をさらしている。イベントを企画した一人、飲食店経営阿部久利さん(39)は「草の根の市民の力で街のにぎわいを取り戻したい」と一日も早い復興を誓っていた。