中大生が復興支援のエコツーリズム報告会 南三陸町

エコツーリズムの手法を使った復興支援の在り方を研究している中央大の学生グループが7日、宮城県南三陸町入谷のさんさん館で報告会を開き、住民と意見を交わした。
 同大理工学部の谷下雅義教授(地域計画)が指導する学生たちで、2012年春から同町で調査を続けている。都会の若者が魅力的に感じるツアーの例に、漁業や農業など各分野で活躍する住民を訪ねる体験や間伐の実習、郷土料理作りを挙げ、南三陸ならではの自然や文化を生かしたエコツーリズムで人を呼び込み、地域経済を活性化しようと提案した。
 報告会には学生と住民合わせて40人が参加した。意見交換では「現在のようなイベント中心の観光振興は行き詰まる」「震災後、都会の若者の訪問が多い。定着させる工夫が必要」「観光先進地のまねでは生き残れない」「田舎を持たない若者は南三陸に『古里』を求めているのではないか」といった声が出た。
 企画した中央大法学部3年の樋口葵さん(21)は「南三陸は森里海の距離が近く、エコツーリズムの魅力が凝縮している。学生は南三陸と都会のつなぎ役になれる。机上の空論に終わらせず、地域にエコツーリズムが根付くよう取り組みたい」と話した。

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