名前が発音しやすい人は信頼もされやすい:研究結果

大切なのは、名前ではなくて中身ですよね。でも、名前は、思った以上に大事なようです。名前が発音しやすいか否かで、他人がその人に対して抱く印象も左右されるというのです。
具体的には、簡単に発音できる名前を持つ人のほうが信頼されやすいという研究結果が出ました。
ある一連の実験で、研究者は参加者に、ある名前に対して不安を感じるかどうかなどの質問をしました。また、発音しやすい名前の持ち主と発音しにくい名前の持ち主から出た情報として、事実とウソが交じった雑学的知識(「キリンはジャンプができない唯一の哺乳類である」といったもの)をいくつか提示し、それに対してどう思うか、判断するよう依頼しました。ペアにした名前は、民族的な偏見が介入しないよう、同じ地域からのものを採用しています(例:Adrian BebeshkoとCzeslaw Ratynska)。
その結果、何がわかったのでしょうか。
4種類の実験を行なったところ、すべてにおいて極めてはっきりとした結果が出ています。発音しやすい名前を持つ人とその人が主張した情報は、発音が難しい名前を持つ人とその人が主張した情報に比べて、より好意的な受け止められ方をしました。肯定的側面ならびに否定的側面の両面において同じ傾向が見られています。
発音しやすい名前にはより親しみがわき、危険や不安を感じる度合いも低いという結果になりました(「PLOS ONE」元記事の実験1a-1cの結果)。発音のしやすさが及ぼすこうした効果は、人でも物でも、発音が簡単な名前を持つほうが好意的にとらえられやすいという過去の調査結果を裏づけています。つまり、発音が簡単な名前を持つ人は数々のメリットを享受できると言えるのです。
無意識のうちに抱くこの偏見は、とりわけ移民に対して不当に働く可能性があります。「Scientific American」誌の指摘にもあるように、名前をアメリカ風に変えた移民は、就職の際に良好な結果を得る場合が多いのです。
名前に対するこうした偏見を念頭に置くのは大事です。特に、求職者の履歴書を比較したり、まったく同じ資格を持った候補者2人を1人に絞り込んだり、陪審員を務めたり、といった他人を評価する状況では、特に気をつける必要がありそうですね。
People with Easier to Pronounce Names Promote Truthiness of Claims|PLOS via Scientific American
Melanie Pinola(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)
Photo by Jack Dorsey.

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