夏休みはどのように過ごしていますか? 普段より子どもと一緒に過ごす時間が長くなる時期。そんな時期だからこそ、子どもの成長のために大人が少し“ガマン”したいことがあります。多くの場合、それは大人が子どもに対して、“良かれ”と思ってやっていることです。
そこで今回は、『WooRis』の過去記事「個性を伸ばすチャンス!“子どもが悪事を働いたとき”の親の正しい接し方」に引き続き、河合隼雄さんの著書『今ここに生きる子ども 子どもと悪』を参考に、“個性をつぶさないために親が我慢すべきこと”を紹介します。
■1:親目線の理想の押し付け
<子どもの幸福を考える路線が何と単調だろうということである。一流企業に就職する。そのために一流大学に入学する、と考える。あるいは女性であれば、よいところにお嫁にいくことが考えられ、女があまり勉強すると敬遠される、などと考える。>
本来は、親が良かれと思って、子どもにしてあげていることですが、今の時代には親の発想があまりにも貧弱すぎるということでしょう。子どもはこういった親に翻弄されることになります。
■2:指導しすぎ
<芸術、芸能、スポーツなどの世界においても、日本人は指導しすぎて、子どもの個性を壊してしまうことがある。欠点をいちいち指導するので、子どもが萎縮してしまい、のびのびと自分の可能性を伸ばすことができない。>
こういった指導も、本来は、子どものために一生懸命しているのだと思いますが、最終的には子どもがつぶれてしまうこともあるようです。どうも、親や指導者がせっかちすぎて、子どもが自ら育つのを待つことができないのではないでしょうか。
■3:親が自分自身を信頼しない
<どうしてこうまで大人は子どもに善意の押しつけるのをするのだろう。基本的には、子ども自身の成長の可能性に信頼を置いて待っておればいいのに、それができない。なぜ、子どもを信頼できないのか。それは自分自身を信頼できないからである。>
そもそも現代人は、相当な不安を抱えているので、仕方がない点もあるのかもしれません。まして、現代の日本ではかなりの人が先行きに漠然とした不安を抱えているのではないでしょうか。
大人は自分ごととして、こういった不安ときちんと向き合い、不必要に不安を子どもに向けないようにしないといけないのではないでしょうか。
以上、“個性をつぶさないために親が我慢すること”でしたが、いかがだったでしょうか。子どもの本来持っている個性を引き出すことが、親の役割の1つでもあります。心配なので、ついつい過剰な干渉をしてしまうのが現代のママに多いとも言われています。
さっそく今日から、過干渉をヤメて、子どもを信じる、つまり自分を信じて、子どもの個性が花開くのをじっくりと待ってみましょう。