スマートフォンのアプリなどを使った飲食店や小売店の事前注文決済サービスを展開するショーケース・ギグ(東京)は29日、サービス導入の実証実験をJR仙台駅3階の「味の牛たん喜助」で始めた。持ち帰り弁当の注文を事前に受け付け、商品を受け取るまでの時間短縮や店舗側の省力化の効果を検証する。
利用者は同社のアプリ「オーダー」を使い、受取時刻を指定して牛タン弁当を注文できる。弁当が出来上がるとスマホに通知が届き、店頭で待つことなく受け取れる。今回の実証実験では決済機能は使わず、代金は店頭で支払う。
仙台駅の喜助は店頭で注文を受けてから牛タンを焼くため、混雑時などは受け取りまで30分以上かかる場合もある。列車の乗車時刻などに間に合わず、注文を諦める利用客もいるという。
喜助の担当者は「店頭で待ってもらう必要がなく、出来たての弁当を提供できる。従業員は店内の仕事に集中でき、人員削減効果も期待できる」と話した。
ショーケース・ギグのサービスは現在、全国1200店舗が導入している。28日にはJR東日本グループと共同で、東京都と埼玉県の駅ナカ9店舗でもアプリ活用の実証実験を始めた。
喜助での実証実験は2月4日までで、3月には初の地方拠点を仙台市内に開設する予定。担当者は「実証実験を通じて仙台駅や周辺の店舗などのニーズも把握し、東北でサービスを広げたい」と話した。