宮城県名取市は後世に残したいわが町自慢を選定した「なとり百選」をリニューアルする方針を固めた。東日本大震災によって消失するなどし、実態にそぐわなくなったことを受けた。
なとり百選は2006年度に選定。屋敷林の「居久根」が残る国重要文化財の洞口家住宅、光源氏のモデルと言われる平安時代の歌仙藤原実方中将のものとされる墓、東北最大規模の前方後円墳の雷神山古墳などがある。市のホームページ(HP)で閲覧できる。
市によると、津波で被災した閖上、下増田両地区を中心に、開運橋や旧サイクルスポーツセンターなど六つのスポットが消失した。ほかに休止や閉鎖、移転がそれぞれ一つずつある。
選定から10年以上が経過し、市内には新たな建造物や地域資源も誕生した。選定対象が消失した場合などはHP上に付記しているが、市は復興事業の進展を踏まえてリニューアルする必要があると判断した。
山田司郎市長は「新たな地域資源を含めた上で、できるだけ早くリニューアルに着手したい」と話す。
なとり百選は市内外から応募があった1032件から選定した。