中流意識と団塊ジュニア

■2005年朝日新聞社の世論調査
“1億総中流化“と言われたように1970年度の中流意識は90.2%と最高率。しかし、2005年度には 79.0%と減少。その細目分布では、上述の期間に「中の中」は変らず「中の下」が増え、「中の上」が減り社会構造(生活水準)が変化しています。直近の調査では中流意識が50%を割っていると報道されています。このことは皆んなが中流であることに価値はなく、自分にとっての生きがい生活を指向しているようにも見えます。
●団塊ジュニア女性の動向
・1986年、男女雇用機会均等法が施行され、総合職として高給を得る人が増加し、他方でフリーター、パートや派遣社員として働く人も増えた。女性の生き方が多様化
①職業指向と高地位指向のミリオネーゼ群
②大多数の普通のOL群
③専門学校で資格職種やアーチスト系職種群
④専業主婦指向群 に大別できます。
●団塊ジュニア男性の動向
・成果主義の導入、起業家の増加、フリーター増や晩婚化などが絡み合い30歳前後でいくつかの類型がある。
①高所得指向で出世欲も強い一流大学出身の上場企業ビジネスマン群
②高所得指向であるが出世欲が弱くマイペースで自分好みの仕事指向群
③勤勉さもなく才能もなく仕事をただこなしていく労働者群
④仕事好きでなく、自分の趣味に生きるフリーター群
●団塊ジュニア世代は、子ども時代に豊かな消費生活を過し、年をとればその生活水準が落ちる不安感があります。男女共、年間所得が400万円を超えれば、1人暮しが可能であり、男性の所得だけ、または共働き所得がある場合、年収500万円が結婚の壁になるようです。そして子どもが産まれたとき、妻が仕事をやめるのは夫の年収500~700万円が目安です。
●男女共、若いときに自分らしく生きることで満足がえられても、30歳を過ぎると所得も生活満足度も不安定で夢が儚なく消え下流意識を助長しています。
●生き方は多様化したが、幸福は多様化していない
女性の社会進出によって、女性の生き方も多様化しましたが、必ずしも幸福が多様化したわけではなさそうです。現状でも富裕な男性との世帯、専業主婦と子どもがいる世帯、共働きの夫婦だけの世帯といった従来型の結婚像や家族像が優勢です。結婚とは自由恋愛が主流であるものの、学歴、職業、所得、性格や趣味など階層がもつ属性が厳然と存在しているのではないでしょうか。要は身の丈に合った“分相応”の意識とライフスタイルが近未来でも基本であることは不変でありましょう。

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