溝さらいと上澄み取りは、どうしてもうまくいかない。

溝さらいと上澄み取りは、どうしてもうまくいかない。と考えさせられることが多くて・・・。

「溝さらい」とは、地元のクライアント中心に、ローコストでノープランで汗と体力でこなす仕事。例えば、中古車の広告とか、地元のスーパーとかのチラシがこれ。

その反対にあるものとして、「上澄み取り」。上澄み取りとは、中央のクライアントを中心に、提案ありきで、クリエイティブもしっかりと行い、グロスで大きな金額になるので、計画通りに淡々とこなしていく仕事。主にメーカーさんの仕事がこれ。

ローカルに根を張って仕事をしているので、一概にどちらがいいとは言えないし、言うこともないけど、会社にこの2つのタイプがいると、全然会話がかみ合わなくなり、大変なことになっていきます。

溝さらいのタイプは主に、ローカル会社のたたき上げ専務とかが多く、とにかく社長が言ったことを頑張ってこなして、何とか利益を出してきた人が多い。スタイルは言われたことを安くやる。大手代理店が手をつけない様な面倒で安い仕事を黙々とこなし、何とか利益を出して生きている。

だか、付き合ってくれるクリエイティブはほとんどなく、常に下の社員に仕事を頼み、激安価格でクリエイティブにやらせていたり、自分でデザインまがいのことをパワーポイントとかでやっている。このパターンにはめられたクリエイティブの人たちは、殆ど倒産とか破産している。だって、暮らせるような金額じゃ、この会社に仕事を出している意味がない、とクライアントは普通に言う。だから、他社にとられない、みたいな理論。

それはそれで、いいとは思うけど、結局、そんな仕事だらけになったら、自分の会社が倒産する。まあ、仕方がないな。でも、不況時には強みを発揮。

逆に好況時にはアホに見える。本当にあった話だけど、某クライアントが、企業イメージCMを展開したいので、企画してほしいといわれて、予算は200万円あったんだけど、単なるスライドショーのCMを30万円で作り、残ったお金を返した、という溝さらいの大将がいたそうだ。この会社ももう倒産した。

溝ばかりをさらっていると、こんな金銭感覚になる。

そこで、上澄み取りの人たちは、基本的にその仕事は、期のはじめとかに、色いろなプレゼンテーションとかで取った仕事で、おおざっぱにやることや単価、予算、スケジュールとかが決まっており、そのクライアントが望むレベルの仕事をきっちりとこなしていくことで、利益が出る仕組みの仕事をする。

当然、企画やクリエイティブに関しても要求が高いので、殆どは丸投げになる。なんせ、専門性が高いので、素人営業がどうにかできるレベルの仕事ではない。手弁当の資料とかをもっていったものならば、「お金払っているんだから、ちゃんとした人に作らせて」って、怒られます。

なので、やっていることは、勢い、客との打ち合わせと接待が中心に。仕事が円滑に進むことを重視しているので、これはこれで仕方がない。

そこで、この2つのタイプの営業マンが、会社で隣同士にいたときが問題になります。

溝さらいの人は、自分で企画書らしきものを作ったり、簡単なデザインみたいなものも作ったりして、「私はこんなに会社のためにコストダウンして、利益を出しています」と、社長にアピールしています。そんな人が、殆ど丸投げ外注の「上澄み取り」の人の仕事の仕方をよくは思いません。特に、まともなクリエイティブに仕事を出していますので、金額も張りますし、溝の人にとっては、見たことのない外注金額です。しかも、クライアントの接待も多くて、その金額も・・・。

逆に、上澄み取りの人たちは、溝さらいの人たちの仕事の仕方は、ナンセンスに見えます。「たった、●円のために、そんなことまで営業がやるの?。」「グロスで●億円あるんだから・・・」「夜中まで残って、企画書みたいなものまで作って、喜んでいるんだろう。だった●円しかないのに・・・。」。基本見下しです。

なので、溝さらいの上司が「企画書を作れ!」とかの指示ほとんどスルー。こうなると、双方の溝は埋まらなくなります。

溝にとっては、安かろう悪かろうの仕事を大量にこなしても何とか少ない利益を上げて、会社に貢献しているという自負があるのに、上澄みの人たちは、何も働いていない(のに、運がいいので、数字が上がっているだけ。実力ではない)というようにしか見えないのてす。

だから、何かにつけ、溝の人たちは、上澄みの碑地たちを攻撃(口撃)します。逆に、上澄みの人たちは、溝の人を避け始めます。話にならないよね、次元が違うんだから・・・。

こんな感じで、最近もめている会社をいろいろとみています。基本的に僕は30年以上もこの仕事をしていますので、溝の仕事はほとんどしていませんが。でも、僕もそうですが、上澄みの仕事は、今すぐにはお金にならないものがほとんどです。資本金の少ない人は、基本無理です。なので、両方の気持ちはわかります。

資本金が少ない時に、何とか溝さらいをしながら会社を大きくしてきた人。資本金がある程度あるときに入社して、資本金をベースにより大きな仕事を組み立てる人。双方ともに、現実なのですが、僕的には「仲良くしましょう。」といか、言えないですね。

 

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