初恋の人から正人さんへお手紙が届きました。

正人、ひさしぶり。
もう旅先で模造刀を買うクセは治りましたか？修学旅行の貴重なおみやげ代を模造刀に注ぎ込んだ正人を思い出すと笑ってしまいます。
泣きじゃくる私に正人が「好きだけど別れなくてはいけないときもある」などときれいごとを並べてお別れすることになったあの日から、もう32年が経ったのですね。月日が流れるのは早いものです。
お手紙を書いたのは、とくに用事があるわけではないんです。ただふと思い出して懐かしかったので、思いつくままに手紙に書こうと思いました。ふふ。驚いたかな？
思い返してみると、あのころは正人はとても優しくて、大人びていたなぁと思います。私は素直になれなかったから、平気で「正人はどうせ胸さえ大きければいいんだよね！」なんて責めるようなことを言ったけど、正人は「そんなことはないよ。カラダ全体が大事だよ」って優しく諭してくれたのを覚えています。少しヒドイと思ったけれど今でも心に響いています。
そういえば正人にとって初恋の相手が私だったんですよね？最初のころの正人は、なんだかキスするときも勢いありすぎて、あのときは少し怖かったんですよ。慣れてくるとやけに自信をつけていましたね。「おれうまいだろ」って（笑）。
告白するときの正人は、必死で「一生大事にするから」とか酔っ払ったことを言っていましたね。とても嬉しかったのですが、お別れしたときには、やっぱり詐欺だったなぁと思ったものです。後先考えないところは正人らしいとも思いました。
総括するなら、正人と付き合えたことは、とても感謝しています。特に正人との恋愛から学べた重要なことは、あまり人に期待しすぎてはいけないということでした。一人で生きられるようになることの大事さを教えてもらえたと思っています。ありがとう。
いろいろ書きましたが、私は正人のことがそれでも好きでした。これからも正人らしさを失わないよう、当時以上にノストラダムスの研究を頑張って（笑）、誰かを幸せにしてあげてください。
またいつか会いましょう。では。
P.S. 将来マッチョになるって言ってましたよね？どうなりましたか？
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